5,函館西高ー屋上の青春
佐藤泰志、辻仁成・・・出発の地



八幡坂のつき当たりにあるのが函館西高校である。開校は1905(明治38)年で、昭和24年までは庁立函館高等女学校、略して「庁立高女」と呼ばれ名門女学校として名をはせた。 坂の登り口に高女の石柱が立っている。
この学校出身の有名人としては、歌手の北島三郎が有名だが、この学校出身の文学者も多い。
 


佐藤泰志については佐藤泰志コーナー参照


       高校時代の佐藤泰志と西高旧校舎


庁立高女:長野 京子(北海道児童文学の会会長)、水口 幾代(北海道新聞文学賞)
       三国 洋子(文化評論新人賞)

函館西高:丹羽 昌一(サントリーミステリー大賞)、
       麻生 直子(奥尻出身、詩人)、森 真沙子(小説現代新人賞)
       佐藤 泰志(芥川賞5回候補)、辻 仁成(第116回芥川賞) 、北村 巌(「島木健作論」で北海道新聞文学賞)

函館西高から、函館港を見下ろす。
この坂はCMなどで全国に知られている。

辻仁成は高校二年の時、教室の窓の外にソ連ミグ25の機影を見た。
その飛行機にはソ連空軍のベレンコ中尉が乗っていた。
 「・・・僕は三メートルほどのフェンスの一番上に一気に足を掛け、ぐいと体を前へ押しだした。ちょうど真下を石敷きの坂道が、まっすぐ函館港までのびているのが見える・・・。落下する瞬間、僕の目を射たものは、鷲の羽のような巨大な翼 と、赤い星のマークだった」
(辻 仁成 『クラウディ』最初の部分より)

元町文学地図