3,長谷川四兄弟住居跡
マルチ芸術一家・・・長谷川海太郎・りん二郎・濬・四郎
四人に共通するインターナショナリズム。海を越える思想はこの場所で育まれた。
元町茶寮 上がチャチャ登り 右がハリストス教会へ
「・・・このガンガン寺わきの家の前には山の方へのぼっていく坂道があったが、また玄関の戸口から出てそのまま、まっすぐ前方へ歩いていける一本の道路があって、ちょうどロシヤのハリストス教会とフランスのカトリック教会とのあいだを通っていく道路で、・・・」
(長谷川四郎「ガンガン寺の鐘」より『文学的回想』所収」
佐渡出身で、二,二六事件の黒幕である北一輝とも親交があった「函館新聞」主筆である長谷川淑夫を父に持つ長谷川四兄弟は、それぞれ世界中を舞台に文化的な活動を行った。
長谷川海太郎 「一人三人全集」谷譲次ー「踊る地平線」めりけんじゃっぷ物 (外国物)
<ビリー> 牧逸馬ーメロドラマ・世界怪奇実話
(現代物)
林不忘ー「丹下左膳」 (時代物)
長谷川りん二郎 洋画家「猫」・・・片方の髭がない絵が有名。
<ジミー> 大火時に函館山から大火の模様を絵に描く。
「地味井平造」の名で「新青年」などに探偵小説を書く
長谷川 濬(しゅん) 満州国外交部をえて満州映画協会へ。甘粕正彦の最後を見
<スタンリー> 取る。ロシア動物作家バイコフ「偉大なる王」の翻訳者。
長谷川 四郎 シベリア抑留体験。連作「シベリア物語」など、その後、
<アーサー> 詩・戯曲・童話・翻訳・評論などで活躍。アジア・アフリカ作家会議
や新日本文学会などで、芸術活動に携わった。
※四人はそれぞれ兄弟を、< >のような外国名で呼び合ったという。
元町文学地図